開発の発注と費用

開発の見積額に幅が出る理由。要件のどこで工数が膨らむか

この記事の目次(10項目)
  1. 見積額が業者によって倍以上ズレる理由
  2. 工数を押し上げる5つの要件要素
  3. 安い見積に飛びつくと、後から費用が増えやすい理由
  4. 見積を依頼する前に用意しておきたい資料
  5. 「小さく作って広げる」が工数を抑えやすい理由
  6. PT BUILD の開発費の目安(税別)
  7. 発注前に自社で確認しておきたい項目
  8. 複数社から見積を取るときの比較の進め方
  9. 見積書を読むときに聞くべき質問
  10. PT に相談するなら

同じ「業務アプリを作ってほしい」という依頼でも、見積額は業者によって大きく変わります。差が出るのは単価の違いだけではなく、連携先の数や例外処理の量、データ移行の有無といった要件の内訳が、業者ごとに違う前提で計算されているためです。この記事では見積額が割れる構造を要件の構成要素から分解し、発注前に自社で確認しておきたい項目を整理します。

見積額が業者によって倍以上ズレる理由

見積額は「何を作るか」だけでなく「何を前提にするか」で決まります。同じ在庫管理アプリでも、既存のExcel台帳をそのまま移行する前提と、入力ルールを見直してからデータを整える前提では、作業量が変わります。業者Aが「現状のデータをそのまま使う」前提で見積り、業者Bが「データを一度きれいにする」前提で見積ると、同じ依頼文でも金額は変わります。

見積書を比べるときは、金額だけでなく「どこまでを依頼主側で用意する前提か」を確認する必要があります。前提がそろっていない見積書を並べても、安い・高いの判断はできません。

工数を押し上げる5つの要件要素

連携先の数、例外処理の量、データ移行の有無、承認フローの数、画面数と入力項目数が積み上がって工数が膨らむことを示す図

見積額に影響する要素は、依頼主が思っているより細かいところにあります。

  • 連携先の数: 社内の基幹システム、配送会社のシステム、モールのAPIなど、つなぐ先が増えるほど確認作業と例外処理が増えます
  • 例外処理の量: 「通常はこう動くが、こういうときは別の処理をする」という分岐が多いほど、設計と検証の時間が増えます
  • データ移行の有無: 既存データをそのまま使うか、形式を変えて移行するかで作業量が変わります
  • 承認フローの数: 入力後に誰が確認し、誰が承認するかという経路が複数あると、画面と権限設計が増えます
  • 画面数と入力項目数: 画面が増えるほど、表示・入力チェック・エラー表示の実装が積み重なります

依頼文に「在庫管理アプリを作りたい」としか書かれていない場合、業者はこの5つを自分の判断で仮置きして見積もります。仮置きの内容が業者ごとに違うため、金額の幅が生まれます。

安い見積に飛びつくと、後から費用が増えやすい理由

見積額が他社より極端に低い場合、5つの要件要素のどこかを「契約後に確認する」前提で、最初の金額に含めていないことがあります。契約後に「この例外処理は別途お見積りします」「データ移行は別途費用がかかります」という追加の見積が出てくると、最終的な総額は当初の提示額より高くなります。

金額の低さだけで判断せず、見積書に「含まれているもの」と「含まれていないもの」が明記されているかを確認します。明記されていない場合は、契約前に業者へ確認し、回答をメールなど文書に残しておきます。

見積を依頼する前に用意しておきたい資料

複数の業者から見積を取る場合、同じ資料を渡すと前提のズレが減ります。用意しておきたい資料は次の通りです。

  • 対象業務の業務フロー(現状の手順を書いたもの)
  • 現在使っているシステムやExcelファイルの画面・項目一覧
  • 連携が必要な外部システムの一覧とAPIの有無
  • 1日・1か月あたりの処理件数の目安
  • 現在その業務にかかっている作業時間と人数

この資料を複数の業者に同じ内容で渡すと、見積額の差が「前提の違い」ではなく「業者の実力や進め方の違い」として比較しやすくなります。資料を作る時間が取れない場合は、口頭での聞き取りを先に行い、業者側に資料化してもらう前提で依頼することも可能です。その場合は、聞き取りの内容を依頼主側でも記録に残しておきます。

「小さく作って広げる」が工数を抑えやすい理由

最初から全部署・全機能を対象にすると、連携先と例外処理が一気に増え、見積額も検証期間も膨らみます。対象を1つの業務、1つの部署に絞って先に動く形を作り、効果を確認してから広げる進め方のほうが、最初の投資額を抑えやすく、作ってみて分かった仕様の見直しも小さい範囲で済みます。

PT BUILD の開発費の目安(税別)

PT BUILD の開発費の目安(税別)を種別と規模で並べた表

PT BUILDは業務アプリ・AIエージェント・システム連携の本開発を個別見積で対応しています。以下は現時点の目安で、実績値ではありません。実際の金額は要件確認後に見積ります。

種別規模開発費の目安(税別)備考
業務アプリ小50万円〜150万円画面数・連携先が少ない場合
業務アプリ中150万円〜400万円
業務アプリ大400万円〜1,000万円
AIエージェント小30万円〜80万円別途ランニング 月3万円〜
AIエージェント中80万円〜200万円別途ランニング 月5万円〜
AIエージェント大200万円〜500万円別途ランニング 月10万円〜
システム連携小20万円〜50万円
システム連携中50万円〜150万円
システム連携大150万円〜400万円

料金は参加人数、テーマ数、事前調査の量、開発範囲で変わります。出張を伴う場合の交通費・宿泊費は実費です。

発注前に自社で確認しておきたい項目

見積を依頼する前に、以下を自社内で決めておくと、業者ごとの前提のズレが減ります。

  • 対象にする業務の範囲(部署・工程をどこまで含めるか)
  • 既存データをそのまま使うか、整理してから渡すか
  • 連携が必要なシステムとその数
  • 「通常はこう動く」という基本フローと、例外のパターン数
  • 承認や確認が必要な工程とその担当者

複数社から見積を取るときの比較の進め方

同じ資料を渡して複数社から見積を取った場合でも、提示される金額の形式が業者ごとに違うことがあります。一括の総額だけを提示する業者もあれば、工程別・画面別に金額を分けて提示する業者もあります。比較するときは、総額だけを並べるのではなく、5つの要件要素(連携先の数、例外処理の量、データ移行の有無、承認フローの数、画面数と入力項目数)のそれぞれに、どの業者がどこまで含めているかを一覧にして並べます。

一覧にすると、総額が同程度でも、ある業者は例外処理を手厚く見ているが連携は簡易的、別の業者は連携を手厚く見ているが例外処理は最小限、といった違いが見えてきます。自社の業務でどの要素が重要かに応じて、総額だけでなく内訳の重点が合っているかを判断材料にします。

見積書を読むときに聞くべき質問

見積書を受け取ったら、金額の前提を業者に確認します。「この金額には、データ移行の作業が含まれていますか」「例外処理は何パターンまで想定していますか」「要件が後から増えた場合、追加費用はどう計算しますか」という3つを聞くと、前提のズレに気づきやすくなります。

あわせて読みたい記事として、「外注で失敗しない発注書の書き方。悪い例と良い例」と「業務アプリの範囲をどう決めるか。回収期間を自社で計算する方法」も参考にしてください。

PT に相談するなら

要件がまだ固まっていない段階であれば、PT DISCOVERY(10万円〜、税込11万円〜)で業務課題を整理し、何を対象にするかを先に決めることをPTは勧めます。1テーマを絞って動く形まで確認したい場合は、PT WORKS(30万円〜、税込33万円〜)で約5時間の簡易実装まで進められます。本開発の金額感を先に知りたい場合は、概算見積で5つの質問に答えると、合うプランと金額の目安が分かります。社内検討用の資料が必要な場合は、資料請求から送付できます。

料金は参加人数、テーマ数、事前調査の量、開発範囲で変わります。出張を伴う場合の交通費・宿泊費は実費です。

この記事の内容を、自社で進めるなら